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愛すべきイタものたち

 「イタもの」というと、人によっては、いろいろだろう。イタリアだったり、痛々しいなにかだったり。ぼくがここで言う「イタ」とは「板」。現代のパソコン関連製品の多くは「板状」になったものがとても多い。

 でも、ディスプレイが薄いイタになる前は、そうじゃなかった。「電源を入れなければ漬物石」と言われてイタし、それよりももっと前の時代には、ビルの一室をたった1台のコンピューターが占めていた。

 ディスプレイがイタなら、スマホもイタだし、タブレットもイタで、なんなら、パソコンもタブレットと見分けがつかないときてる。使う小さなカード類もよく見れば薄いイタだ。これも時代なのでイタしかたない。

クロームブックが返ってきた

 「ネットが使えればいい。」ということで、貸し出していたクロームブックが手元に戻ってきた。クロームブックといってもそれは何?という人も多いかもしれない。これもパソコンの一種で、ウインドウズとかマックとかの仲間だと思ってもらったらいい。タブレットとしても使える機種で、これもやっぱりイタもので、グーグルのパソコンだ。

 バージョンが120.0.6099.203 (Official Build) (32ビット)とあって、更新をかけたら更新を始めた。何かが新しくなるらしい。更新されたあとにバージョンを見たら、121.0.616.159 (Official Build) (64ビット) だと表示されていた。このタブレット、64ビットCPUだったんだ。

 本もタブレットになって、イタになって、何千冊も入れられるし、楽譜やら書類やらもクラウドっていうネット上の本棚に何枚も分類して入れてあるから、すぐに取り出せる。「分類して整理して入れておく」というところは、けっこう面倒だったりするけれど、「すぐに取り出せる」という魅力にはかなわない。それに、要らなくなったら跡形もなく一瞬で消せる。

 考えてもみてほしい。ファイリングされていない、うず高く積まれた書類の中から、たった1枚の必要な書類を取り出す作業の途方のなさを。ファイリングされていても、積まれてしまえば、やはり同じように、めんどうだろう。

 インターネット上にある書類や本、写真はなんでも、単なる名前というラベルのついたデータに過ぎない。大きさもなければ、そのものに実体もない。もともとデータというのは、そういう性質のものだったということをインターネットが示してくれた。

 この世界で本当に意味があるのは、感情や感覚をもった生身の人間が、生き生きと生きているかどうかなんだということを、インターネットやSNSが見事に教えてくれている。この世界には、もう物質には意味がない。何千年も何億年も残る化石にすらならないデータとして残され、すべてが跡形もなく消える。この事実を、現代の人々は、どれくらいわかっているんだろうか。

作成者: ocarina_mu

オカリナ、ギター、クラリネット
演奏家の岸本みゆうです。
アクセスバーズ・プラクティショナー

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