これは、安壇美緒さんの小説です。ラブカというのは、深海に住む鮫の一種で、本の中では「スパイ」の隠語として紹介されています。
著作権協会の調査員が、身分を隠して音楽教室に潜入し、チェロのマンツーマンレッスンを受ける中で、著作作品の使用状況を調査するという物語。レッスンを受ける曲の中にも「戦慄きのラブカ(わななきのー)」という架空の曲のタイトルが出てきます。
久々に一気に読んだ本でした。おもしろかった。
自分自身が音楽教室で著作権に気をつけながらレッスンをやっているので、実際に当事者になったら、どんな気持ちなんだろうと、ひやひやする気持ちで読んでいました。
コンクールがものすごい高いレベルの演奏を要求されるのは間違いないのだけれど、現実は、あくまで通過点に過ぎないわけです。この本ではそこは掘り下げてはないのだけれど、そこはちょっと違和感を感じました。
細かいところ、途中の展開など、そりゃないだろうという場面描写もありましたが、ネタバレになるので、書きません(笑)