深夜の白ワイン

これは、完全にラベルだけで選んだワインです。クラリネットと鳥。スペイン産の白ワイン。ボデガス・アバニコ、シンフォニア ベルデホ。

それでも、いいと思う。いいと思えるのなら、あとは、いいと思えるシチュエーションに出会えば、カンペキ。

いま、深夜。もう寝ようと思っていたのに、ワインのコルクをこっそり開けた。

ビールを飲んだあとの、グラスに1杯だけ注ぎました。ワインボトルの「肩」のところまで減りました。

ああ、ウマい。値段じゃないな。こういうのって。確実、そうだ。

飲みたいときが今だと思ったから、飲んでいます。

ここまで書いて、1杯目が終わりました。

トイレに行ってきます。

もう一杯だけ、飲みます。ラベルの上の線まで減りました。

二十代の頃、東京中野坂上(中野本町)のアパートで一人暮らし。この深夜のお酒タイムが一番ぜいたくな時間だったなぁと、思い出す。携帯とかなかった時代の部屋には、黒いダイヤル式の電話。深夜でもお構いなしにけたたましい音でジリリリリンと、鳴る。隣近所は電話の音くらいじゃびくともしない。時代もあるだろう。とにかく、時々、このぜいたくタイムを奪われる。まぁ、それも、楽しかったんだけど。

自分の意識と向き合うことが大事だと、今ははっきりわかる。当時はぼんやりしていたなと思う。焦ってもいたし、つい最近まで頑張ることだけやっていたように思う。

病気になることも、年を取ることも、ひとつひとつが体験だと思う。味わえるかどうかで決まる。肉体がここにあって、生きることが体験だ。そこから逃げることはできないわけだから。

さて、2杯目を飲み終わりました。残ったワインはコルクで栓をしておきます。

グラスを洗って、軽く拭いて、机の上に伏せておきます。あしたの朝、ちゃんと食器棚に拭き上げてしまいます。

では、おやすみなさい。すべての人が今夜、いい夢を見ることができますように。

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