ふすま絵・土方稲嶺

まいど!鳥取の音楽家・自由人(みゆうじん)、オカリーナ奏者の岸本みゆうです。このサイトでは、芸術・文化、環境、生活、クルマなどの気になったことを記しています。

現在、鳥取県立博物館で、土方稲嶺(ひじかたとうれい)展をやってて、前期展示に1回行き、一部作品を入れ替えてからの後期展示にも今日行ってきた。

やはり見どころは、和歌山県の旧興国寺書院4室を再現した展示で、ぐるりふすま絵が並んでいる。

とにかく、見事としか言いようがない。

古いお寺の書院で、虫食い、シミ、破れた箇所も多くあった状態のものを、取っ手金具も同じものを使い、修復して、4室を再現した。

ふすまの下張りには、当時の書物やら、書付の紙やらが何層にも使われていて、今後はその書物の分析が行われるそうだ。その分析の結果、当時の状況がかなり鮮明になる可能性がある。

ふすま絵以外は撮影が禁止されているので、写真はないが、もちろん、屏風絵も掛け軸もスバラシイ。

師匠である宋紫石(そうしせき)や、京都では、同時代に生きた伊藤若冲、円山応挙らの作品も比較のためにいくつか並べられている。

土方稲嶺には弟子も多く、黒田稲皐(くろだとうこう)、小畑稲升(おばたとうしょう)の作品もエピローグとして、特別に展示されている。群れをなし、重なり合う鯉の図などは、土方稲嶺の流れを汲んだうえで、独自の世界を作り出している。やはり、見事である。






どんなに急いだとしても、1時間では出られない。ひとつひとつの掛け軸が、そこにあった広間を思い起こさせる。どんなドラマがあったのだろうかと、人の息遣いすら感じてしまう。

土方稲嶺の作品は、薄墨が遠近感を出しているのが特徴だ。必ずしも、伊藤若冲のように精密で写実的な絵ではない。円山応挙のような派手さ、大胆さはない。

ある意味、デフォルメされたリアリティがある。顔のシワも描くし、ふだん見せる表情や姿勢も描く。後ろ足で背中を掻く虎を描いたり、前かがみになった肖像画などをも描く。

見る人が評価してくれたらいい。名声はいらなくはないが、作品を見ずに、名声だけを褒めるのを潔しとしない。そういう気風が感じられて、好感が持てる。

11月11日までの展示だ。あと少し。見逃すなかれ。

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